平成22917

林野庁長官

皆川 芳嗣 殿

一般社団法人 森林・自然環境技術者教育会 

会長 桜井尚武

 

新たな人材育成のあり方について(提言)

 

林野庁においては、昨年12月策定の「森林・林業再生プラン」を具現化するため、本年6月には「森林・林業の再生に向けた改革の姿」(中間とりまとめ)を、さらに7月には「人材育成に係る中間とりまとめについて(案)」を公表されました。

これによりますと、今後の森林・林業に係る人材育成に関しましては、フォレスター、森林施業プランナー、森林作業道作設オペレーター及びグリーンマイスター等を育成することとされております。これらの者の養成・確保は、厳しい状況下にある森林・林業の再生を図る上で不可欠であり、今後に向けてこれら制度の実現と円滑な運用を期待しております。

 さて、一般社団法人 森林・自然環境技術者教育会(JAFEE)では日本技術者認定機構(JABEE)の審査に関する事業及び技術者の継続教育(CPD)を推進し、森林及び自然環境分野における技術者教育の発展に貢献するための積極的な活動を行っているところです。(別記参照)

 つきましては、森林技術者育成の観点から下記事項をJAFEEとして提言を致しますのでマスタープランの最終とりまとめにあたりましてはご勘案下さいますようお願い申し上げます。

1 大学の技術者教育に資するフォレスター制度の創設

大学が、森林・林業技術者の養成機関として技術者教育を行い、教育プログラムの充実を図るためにもフォレスター制度及び技術者像の早期確立が求められている。 

中間報告では、フォレスターの人物像については、現場を的確に指導でき、森林・林業に対する幅広い知見、森づくりに対する高い使命感や折衝能力とされているが、このことについては賛同するところである。大学教育でこのような人材を育成し、フォレスターの資質を獲得することによりしかるべきポスト(職業)に就き、処遇される等名実ともに技術者の憧れとなるフォレスターの実現及び制度の確立されることを望む。

 

2 JABEE認定のプログラム修了生に資する資格制度の確立

JABEEによる技術者教育プログラムの認定は、当該プログラムが技術者教育

のグローバル・スタンダードを満たしていることを保証するものであり、科学技術全般にわたる基礎的な知識、分野技術についての専門的な学識を有する者として技術士1次試験が免除されている。

JABEEの学部における「森林及び森林関連分野」技術者教育プログラムは、初歩的なフォレスター像に一致するところであり、プログラム修了生が意欲の持てる新たな資格制度となることを望む。

 

3 大学におけるフォレスターのキャリアアップとしての社会人再教育(リカレント)の推進と研修者の活用

大学が社会人に対して大学院レベルでフォレスターのキャリアアップ教育を行う意義として、@実務経験を体系的に知識化、A新たな技術の習得、B企業的経営マインドの習得等、技術者としての研鑽を積むうえでニーズがあり、また、地域の人材資源の有効活用という点で期待されているところである。このような点を踏まえ、大学が社会人教育を行うことへの理解と配慮に加え、研修の常態化と修了生の処遇及び新たな人材育成制度とのリンクを望む。

 

4 JAFEEの森林分野CPDの活用

 技術者は新たな知見や技術を取り入れ、高い倫理観と専門技術者としての技術能力の保持、継続的な研鑽、学習が必要であり、それを証明するものとして、第三者による技術能力の評価制度に参加することが、技術者としての必須義務とされることになっている。このため、JAFEEでは平成21年度から森林・林業技術者を対象に森林分野CPD制度を創設したところであるが、フォレスターや施業プランナー等の新たな人材育成に資するためにも、森林分野CPDの積極的な参加が促進されるような配慮を望む。

以上

別記

一般社団法人 森林・自然環境技術者教育会(JAFEE)について

JAFEEは、日本技術者認定機構(JABEE)の審査に関する事項及び支援する事業並びに森林及び森林関連分野,並びに自然環境関連分野技術者の継続教育に関する事業を行っている団体である。

具体的な活動としては、@JABEEの理事会、各種委員会の活動・運営への協力、A大学・関連学協会との連携強化、Bシンポジウムなどの企画・運営の検討、C研修会開催への協力と審査員の養成、D森林分野CPD実施(平成22年度8月現在CPD会員約3400人)等を行っている。